屋根裏文庫

お散歩日記。または感じたこと考えたことの記録。

母が倒れたので帰省した

母が倒れて入院したとのことで、連休を利用して実家である長崎に帰った。この際だからと一日お休みを取った。このおかげで時間と気持ちに余裕ができた。
私はあまり実家が好きではなかった。長い休日を実家で過ごすなら、その時間を友人や恋人と過ごす方が良いに決まってるといつも思っていた。それでも九州を出て関東に行かせてくれたお礼として、少なくとも年末年始には帰っていた。

今回は久しぶりに年末年始ではない長崎だった。熱い長崎は学生の頃の夏休みを思い出させた。病院から見える山々や海は素晴らしいものだった。母は以前より少し痩せてはいたが、思っていたよりも元気だった。

長崎でのゆったりとした時間の流れは、この半年で萎縮してしまった私の心と体をほどいた。すごくリラックスした気持ちだった。父や母の話を優しく聞いてあげることができた。二人とも日頃の鬱憤が溜まっているようだった。

父と母は離婚したがっていた。お互いに残された人生をストレスなしに楽しもうとしているらしかった。それが二人にとって最善ならしてもいいと思った。しかしそんなに焦る必要もなく、きっと二人はこの急激な変化に戸惑っているのだろうと、とりあえず母が独りになれる部屋を作ってあげた。

母の部屋を片付けていると、仕事に関する本がたくさんでてきた。こんなに忙しく働きながら、よく自分を育ててくれたなと今更思った。もうあとは自由に生きてくれという気持ちで、母の部屋を片付けていた。

母が倒れたことは喜べる状況ではもちろんなく、職場での辛い経験も喜べたものじゃないけど、今回の帰省によって私が実家に抱く思いは昔とは違う、優しいものになっていると気づくことができた。父も母もそれぞれ立派な大人だから、それぞれ楽しく人生を過ごして欲しいし、私も息子として彼らを見守りたい、そして一緒に楽しんでいきたいと心から思った。
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